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なにをかいわんや

かつて発明王エジソンは、ガールフレンド一家とエジソン一家の会食中に机をたたいて彼女にモールス信号を送り、家族らが会話している中ひそかにプロポーズを成功させたという。

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先生と生徒という図式でスタートしている以上、ピアノレッスンは時に一方通行になりがち。
コミュニケーションとかディスカッションとかそんな大げさなことじゃなくって、私はどんな生徒相手にも「やり取り」ができなければ、その時間はただの”かじはらピアノ教室弁論大会~たった一人の聴衆を迎えて~”でしかないなと最近つくづく思うんです。

あるレッスンにて、私はそれはそれは一生懸命教えていた。
生徒に弾けるようになってもらいたい一心で、生徒の様子を見ながら様々なアプローチを試みていたつもりだった。
すると突然、生徒が弾くのをやめてひと言、
「だって、手首ひっくり返すなって言ってるのに、先生だって手首ひっくり返して弾いてんじゃん」
と言った。
私としては、無駄な動きを極力省くという意味で言った言葉。
それにレッスンでは、じっくり考えて話すこともあれば、一瞬の出来事を逃さないようにとっさに口をついて出る言葉もある。
一方で生徒はそれを、手首を微動だにさせてはいけないと受け取った。
というより、生徒にとってはその箇所をレッスンで直す意味や目的があいまいだったところにいろんなアドバイスが飛んできたものだから、私が一人でぐいぐい手綱を引っ張りまわして生徒はずるずるひきずり回されたような感覚に陥ってのSOSの発言だったのかも。

今まで他の生徒には同じようなやり方でうまくいっていたし、その生徒本人とのレッスンですら今までは同じようにやってきたので、私はてっきりお互いが同じ土俵に立ってやり取りしているものだと思い込んでいた節があった。
けれども生徒はいつもの集合場所の土俵にはおらず、近いけれども違う土俵の上にひとり立ち尽くしていたのかな。
その思い込みで、生徒の中でどこがこんがらがっているのかをSOS発言を出されるまでないがしろにしてしまったという苦い経験を味わいました。
こうして振り返ってみると、SOS出してくれたからまだよかったようなものです。


レッスンでのやり取りの中では、
「爪から○cmの範囲を角度は○度傾けたら、○㎠の範囲に○㎏/㎠の圧力をかけながら鍵盤を○cm/sの速さで落とす」
と表現することもあれば(これは極端だけど)、
上記のような表現ではとうてい言い表せないけれど、自分はそこにいかんともし難いものを感じるのです。
というような表現しかできないこともある。

1つ目のようなことを文章で書くと語弊があるかもしれないけど、機械的に動作をインプットしようとしてかなり具体的な言い方をしているわけではなく、こう弾きたい、こういう根拠に基づいてこうしようと思う、という目的のためならいろんな表現方法してもいいと思うよ私は、という意味です。
まあそれはいいとして、2つ目のようなことを生徒が感じ取り、それをたった一言ことばにするのでもピアノを弾いてでも何らかの形で表に現してくれたとき、私、ものすごくうれしい。
なんかカタコトになっちゃった(笑)
それこそがやり取りだよね。自分と生徒でしかわからないやり取り。
エジソンだってモールス信号でプロポーズ大作戦大勝利でうれしかったのかもしれないけど、私はレッスン中のそんな小さな奇跡だってものすごい大勝利だと思うんです。
ちんぷで使い古された表現だけど、言葉では伝えられないことを心の深い所で理解し合えたようなそんな感じ、レッスン冥利に尽きるってものです。


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by kabopiano | 2015-05-22 01:09 | レッスン | Comments(0)

とりとめなく編曲と時の流れと

まだわたしが小学生の頃のことですが、ピアノ教室でピアノを使っていると私や妹たちがピアノの練習をできないので、応急的にリビングに電子ピアノを置くことになりました。
これでもう時間がなくてピアノの練習できない!という言い訳は通用しなくなり(笑)
ヘッドホンをつけて練習するのですが、どうせわからないだろうと思って電子ピアノに内蔵されている音楽データを聴いたり、音色を変えて遊んで弾いているとなぜだかすぐにバレてしまうんですよね。懐かしい。

今日日ほとんどの電子ピアノには演奏の録音機能がついていると思います。
当時(ほんとに昔)の電子ピアノにしては珍しく、我が家にあった電子ピアノは一回につき5パート分録音できるシステムになっていて、私はその重ね録り機能が大のお気に入りでした。
気に入った流行りの曲やCMの曲を聴いては電子ピアノの中からそっくりな音色を探し、メロディを録音し、和音を手探りで探し、そのうちにベースラインというものがあることにも気づき、そうしたらパーカッションも入れたくなり…。
ついにはドラムの部分を再現するために、ドラムセットっぽい音がする鍵盤をいくつか探してドラムぽくツクツクパクツクとたたいては満足していました(笑)

それが中学生になると「ハノンの練習促進教材を作ろう!」となぜか思い立ち、コラール風ハノンやら何やらを作るようになりました。
練習促進などと言っておきながら、自分でそれを使って練習したことはなかったように思いますが、、笑
もうどんなの作ったか忘れちゃったなぁ~。
記録媒体がフロッピーだったところにとってもジェネレーションを感じます(笑)
あのフロッピーももうどこかにいっちゃって見つからないし。

そんな経緯で、わからない・知らないなりに編曲やパロディーなどに興味を持つようになりました。
音楽の勉強や仕事をする上で作編曲の勉強は避けて通れないし、できて当たり前のことではありますが、実際に大学のオーケストラや室内楽のメンバーに演奏してもらう機会がたくさんあり、子どもの頃電子ピアノで遊んでいたことが形になるのを初めて目にして本当にうれしかったのを覚えています。
といっても当時は手探りでやっていたので、見返すとほんとーーーーーうに拙作ばかりでめちゃくちゃ恥ずかしいのですが、、、
ふと思い出してなつかしのmixiを数年ぶりに開いてみたら、こんなの出てきました(笑)
d0035523_113567.jpg

ごていねいに手書きのパクリ表紙まで作っちゃって、何やってるんだか!
これは「こち亀」のOPをオケにしたんですね。
ほかにはあられちゃんとかドラゴンボールとかドラえもんとかサザエさんとかとか…ますます何やってるんだか。

時は流れて、先日友人の結婚パーティーがありました。
その人はオーケストラサークルで一緒だった友達なので、拙作シリーズをたくさん演奏してくれたひとりでもあります。
そんな経緯もあり、今回の式とパーティーのために弦楽四重奏で賛美歌とサザンオールスターズメドレーを作ってほしいと頼まれて先日実際にパーティーの場で演奏してもらいました。

演奏者の弦楽四重奏メンバーのみなさん(ほとんど初対面)とお話しをした時、ヴィオラ奏者の方に「わたしも昔ほんのちょっとヴィオラやってたんですよ~」と言ったら、
「どうりで!なんかヴィオラにおいしいところ多いなと思いました!笑」とのこと。
やっぱり実際に経験のある楽器だと、とくにヴィオラなどという花形とは言い難い楽器には、自然とサービスしたくなっちゃったんでしょうか。

すてきな二人が結婚してほんとによかったなぁという思いと、いまだにサザンメドレーなぞを書いては演奏してくれる友達がいてよかったなぁという思いと、そういえばなんで編曲に興味持ち始めたんだっけ…などという思いが浮かんでは消え、おいしいごはんと共に楽しい時間を過ごせました。

そう考えると、なにがきっかけになり、なにが将来役に立つかってわからないものです。
いつも思うけれど、ピアノ教室でピアノを習っている生徒の中で将来大人になってもピアノを続ける割合は、正直とても少ないと思います。
でも、それが吹奏楽でもバンドでも、物事への取り組み方や問題の考え方でも、もしくはぼんやりと楽しかった思い出でも大変だった思い出でも、知らないうちに何かがその人の中には残っていくのだと思うと、今背中がぶるりと震えました。
何が残るんだろう。
できれば良いものばっかり残していけたらいいんだけど。






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by kabopiano | 2015-05-13 11:43 | Comments(0)

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